日経新聞 経済教室「医療改革に新たな視点」(2018年12月7日朝刊)

日経新聞の「経済教室」に日本の医療抑制政策に関して記事が掲載されました。ポイントは3つです。
 
(1)医療費の水準 vs. 伸び
消費増税や自己負担増は、医療費の「水準」に対処する方法ですが、医療費の「伸び」を緩やかにする効果はありません。構造改革によって医療費の伸びを緩やかにしない限りは、財政破綻のタイミングを先送りしていることにしかならないことを認識することが重要です。42兆円をどのようにまかなうのかは重要な政策課題ですが、それ以上に重要なのはその42兆円をどのように使うか(どのように国民の健康に結びつけるのか)だと考えます。
 
(2)医療費の無駄
医療費の2~3割は患者の健康増進に寄与していないという米国の研究結果があります。例えば、健康改善のエビデンスが無い薬や医療機器は医療保険の対象から外すことで、患者の健康を害することなく医療費を抑制することが期待できます。総合感冒薬、風邪に対する抗生物質、エンドトキシン吸着療法などがこれに該当すると考えられます。
 
(3)エビデンスに基づく予防医療
予防医療が医療費抑制に有効だと言う意見も、無効だと言う意見も、正確には正しくありません(このように単純化して考えようとすることが混乱の元だと思います)。予防医療の中にも、医療費抑制に有効なものと無効なものが混在しているからです。税を財源にしている以上、エビデンスのあるものに「選択と集中」することで、現在ある財源で(追加の財源を必要とせずに)十分健康増進効果が望めます。具体的には、メタボ健診はその健康増進効果と医療費抑制効果をきちんと評価し、その評価結果次第で修正(再検討)が必要だと考えます。がん検診やワクチンのようなエビデンスのある予防医療にはより多くの財源が分配されるべきだと考えます。
 
日経新聞 経済教室「医療改革に新たな視点」(2018年12月7日朝刊)
 
日経経済教室(2018年12月7日)-1

 

 

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