以前のブログでもお書きしましたが、業績に基づく支払い方式(P4P; pay-for-performance)に関する研究のほとんどが、プロセス指標は改善させるかもしれないが、最も重要な患者のアウトカム(死亡率など)を改善…
カテゴリー: 医療経済学
医療における業績に基づく支払い方式(P4P)のエビデンスは極めて弱い
(写真:nist6dh/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般) 業績に基づく支払い方式=ペイ・フォー・パフォーマンス(P4P; pay-for-performance)とは、ガイドラインに則った医療行為を行ったり、…
日本でも医師誘発需要は問題なのか?
以前のブログで医師誘発需要に関してご説明させて頂きました。医師誘発需要は、適切な医師数の設定や地域医療構想を計画するにあたってもとても重要なコンセプトです。もし医師誘発需要が存在していないのであれば、患者さんの医療サービ…
「将来必要になる医師数」の推定はあてにならないので、医師数は増やしすぎないことが重要
日本ではここ数年で医学部が新設されおり、医師数を増やす方向に向かっているようです。将来、日本の医師数が過剰になるのか不足になるのかという議論は両サイドのデータがあり、何が正しくて何が正しくないのかはっきりしません。実際の…
医療費が高い県ほど、心肺停止患者が生存する確率が高い
日本では医療費の地域格差の議論の中で、医療費は安ければ安いほど良いという論調になっている気がしていますが、これは間違いだと思います。 実際に私達の研究グループが2015年に行った研究によると、日本において医療費の安い県で…
差分の差分分析(Difference-in-differences design)
本日は「差分の差分分析」のご説明をします。疑似実験(Quasi-experiment)の研究デザインに関しては今回が最後になります。私の過去のブログを読んで頂ければ、疑似実験に関しては一通りカバーできるはずです。差分の差…
回帰不連続デザインRegression discontinuity design(および分割時系列デザイン)
今回は、疑似実験(Quasi-experimental design)の中でも回帰不連続デザイン(Regression discontinuity design、以下RDD)と分割時系列デザイン(Interrupted …
プロペンシティスコア(Propensity score; PS)(2)-PSに関する5つの誤解
プロペンシティスコア(Propensity score; 以下PS)に関するお話の後半はこの方法論に関する誤解に関してご説明したいと思います(前半をまだ読んでいない方は先に前半をお読みください)。PSはローゼンバウムとル…